小さな農
半農(小さな農業で食べるだけの食を得て、小さな暮らしをする)といっても、
なかなか難しいものです。
学校を卒業するまでは田舎の農家で育ったK’Chanは、2003年10月に会社を定年退職し、
半農生活を始めましたが、最初は試行錯誤の連続でした。
2022年11月現在
いつの間にか半農生活も20年近くになりました。
当初は44アールの田に水稲(お米)作りを主とし5アールの畑に野菜等を作っていましたが、
最近では米作りも15アール程に規模を縮小しています。
以下は半農生活の記録です。(2009年11月記、2022年11月追記)
1. 就農準備 写真はクリックで拡大 | |||||
就農準備講座受講(1) 2003年10月記 我が町の産業振興課が主催で、60歳前後の農業の経験のない人を対象に、 就農準備講座が開講され受講してきました。 第1回 5月25日 農作物の基礎的な栽培技術と農業用語 第2回 6月22日 町内特産物である 水稲直播栽培、ナス、みず菜、青とう、栗、ぶどうの現地視察 第3回 8月23日 京都卸売市場で町特産物の販売状況視察 第4回 9月25日 農業機械(トラクター、コンバイン)の構造と操作について 第5回 12月予定 家庭用果樹の栽培と剪定技術 第6回 来年2月予定 春野菜の作り方。今後の取り組み。 一応準備だけはできた。 さあ、私の半農は何から始めようか。さしあたって、明日からは 家の周りの草刈から始めよう。 就農準備講座(2) 2003年12月記 (家庭用果樹の剪定技術) 三和町主催の就農準備講座も5月の開講以来、第5回目となった。 12月14日 『家庭用果樹の剪定技術』講座に出席した。 福知山農業改良普及センター課長の講義と実習が行われた。 (写真は桃の剪定実習状況) 植物も生き物であるので、手を入れてやればそのように育つ事を教えてもらった。 甘い大きい果実にするには、日が当たるように剪定が重要とのこと。 植物の芽から花、花から実となる不思議、改めて自然界の営みに 感動せずにはいられない。 家の回りには、かき、桃、みかん、イチジク、キューイフルーツ等がある。 冬場は剪定の時期とのこと。 明日からさっそくこれらの剪定をしてみよう。 就農準備講座(3) 2004年2月記
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2.農業機械士 | |||
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農業機械士養成研修(1) 2003年11月記 我地区の営農組合から、農業機械士養成研修に参加しないかとの話があった。 これからの農業は、規模が小さい半農といっても機械化が必要と考えて研修に参加した。 ■主催者と研修場所 京都府立農業大学校(綾部市 我が家から30分) ■目的 農業機械に関する安全知識、整備技術、運転及び利用技能を習得する。 ■参加者 京都府下から21名(26歳の女性から63歳まで。平均年齢53歳) ■開講式と第1回研修 11月13日(木)9:30〜16:00 学科:農業機械化対策と農作業安全 農業機械の構造・機能 農業機械の作業安全 (写真左は休憩時間。黒板下両側はエンジンの分解部品) ■第2回研修 11月14日(金)9:30〜17:00 学科:農業機械の構造・機能と取扱い、エンジンの性能 実技:農業機械の運転操作(写真右は53PSのトラクタの運転操作実習) 初めてトラクタを運転した。大きな機械を操作するのは面白いが難しい。 (現在、小型中古トラクタの購入を検討中) 参加者の皆さんは真剣そのもの、ほとんどが全農者。半農者のような中途半端な人はいなかった。 今後の予定は ■第3回研修 11月17日(月) 9:30〜16:00 学科:農業機械の故障診断と修理方法 実技:農業機械の運転操作 ■第4回研修 11月18日(火) 9:30〜16:00 学科:農業機械の点検整備と故障診断 実技:農業機械の作業安全 ■第5回研修 11月20日(木) 9:30〜16:00 学科:農業機械導入利用計画 実技:農業機械の運転操作 ■第6回研修 11月21日(金) 9:30〜16:00 学科:農業機械導入利用計画 実技:農業機械の運転操作 ■第7回研修 11月25日(火) 9:30〜15:00 学科:技能検定学科試験 実技:農業機械の運転操作 ■第8回研修 11月26日(水) 10:00〜16:00 農耕用大型特殊車運転免許試験 農業機械士養成研修(2) 2003年12月記
11月26日、京都府公安委員会運転免許試験場(京都伏見)に出向き、 大型特殊運転免許(農耕用限定)を取得した。 この免許試験は、11月13日から受講していた、農業機械士養成研修の最後の仕上げであった。 これからの小さな農業(半農)には、この大特免許は必ずしも必要でないが、 今後何かの役に立つかも知れない。 運転免許試験は運転免許試験場のコースに、農業機械士研修中に実習した 大型トラクターを持ち込んで実技試験が実施された。 試験官をトラクターの後ろに乗せて、約2000mのコースであった。 運転免許試験は何十年ぶりであろうか。昼休みに実コースを歩いて、コースを必死で覚えて 午後からの試験に備えたが、久しぶりにハラハラ、ドキドキの1日であった。 幸い、農業機械士研修受講者21名全員が合格することができた。 農業機械士養成研修(3) 2003年12月記 11月13日からの農業機械士養成研修は11月26日の大型特殊運転免許試験で すべてを終了し、京都府立農業大学校から終了証書をいただき、公安委員会から免許証をもらった。 S先生お世話になりました。(今年が最後で定年退職とのこと) 牧場で70馬力のトラクターに乗っておられるとの、紅一点のKさん、 これからもがんばってください。 ぶどう栽培とワイン作りをされている天の橋立ワイナリーの営業部長Dさん、 益々の発展を祈ります。 宮津の高地で、無農薬有機栽培の米作りのHさん、これからもおいしい米を作ってください。 いつも面白い話をして、みんなを笑わせてくれたFさんこの同窓会の幹事をしてくれるとの事、 よろしくお願いいたします。 そのほか17名の方々、元気でがんばってください。 同窓会でお会いしましょう。 |
3.農業機械 | ||||||||
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草刈機(1) 2003年10月記
半農の第1歩は、草刈である。 家の回り、田や畑の周りなど、2旬(20日)ぐらいかかりそうである。 今は草刈機があるので比較的楽であるが、昔の人は、手と鎌での草刈であり、 昔の人の苦労が思われる。(草刈機の国産1号機は、1963年との事) 草刈の楽しみは、刈ったうしろを振り返るとその成果がすぐに現れることである。 また、ひと汗かいたあとのビールは旨いが安全第一を考えて、作業中の アルーコールはなしと決めた。 草刈機(2) 2004年11月記 我がささやかな半農生活に必要な労力の約半分は、雑草との戦いである。 田や畑のまわりや、遊休地は、年間四回ぐらいの草刈が必要である。 特に草の伸びが著しい夏場の草刈は重労働である。 今年の夏、写真のような草刈機を購入した。ゴルフ場の芝刈り機の様なものである。 従来の草刈機に比べて、格段に楽になった。 少々の斜面も刈れるのがうれしい。 <緒元> 型式:RK505B-L 製造元:(株)アグリップ 販売元:井関農機株式会社 エンジン排気量:48.6CC 最大出力:2.2PS 草刈り幅:500mm 畦上からの斜面刈長さ:1700mm 斜面適用角度:45° 耕うん機 2003年11月記 我が家の半農ホームグランドの面積は、田が約40a、畑が約20aである。 今までは、田は人に耕作をお願いしていたが定年退職後の半農として耕作しようと考えている。 畑のほとんどは草にまみれていたが、半農として、野菜と花(これは家内の担当) 作りをしようと思っている。 かって、親父が使っていた耕うん機を引っ張り出して、8年ぶりにエンジンをかけたところ、 見事にかかった。 写真左は小型で、取扱説明書なし。 写真右は少し大型で、取扱説明書によれば、296CCで5.8PS(馬力) 農業と機械化 2003年11月記 小さな農業(半農)には機械は不要かもしれない。 しかし、便利なもの(機械)には不思議な魅力がある。 農業機械士研修によれば、トラクター導入の下限規模は2haとのこと。 田 0.4ha の半農には経済的にペイしないのは承知で、小型中古トラクターを購入することとし、 さっそく、トラクター収納小屋の建設をお願いした。(写真は小屋の基礎工事) 農機具庫完成 2004年1月記 建設中であった農機具保管庫がほぼ完成した。 一人で百種の仕事ができて、はじめて百姓と呼ぶとのこと。 百種の仕事をこなすのには、それなりの道具が必要である。 小さな生活(半農)にも結構、準備が大変だ。 トラクターの実技も習った、中古のトラクターも買った(もうすぐ納入される)、 田んぼもある。 あとは実践のみ。 トラクター 2004年1月記 昨年末に購入していたトラクターが納品された。 中古とはいえ、頼りになりそうである。 さっそく家の周辺で試乗してみた。昨年の農業機械士講習が役にたって、無事に動いた。 田んぼで耕運してみたいが、このところ天候が悪く、田はやわらかすぎる。 あせらずに待とう。 トラクターの緒元 機種:TU155F(イセキ) 駆動方式:四輪駆動 出力:15.5PS/2500rpm 総排気量:900cc 重量:665kg ロータリー:耕うん幅1200mm トラクター耕運 2004年2月記 このところの朝は霜が降りて厳しい寒さであるが、 日中は10℃を超えるような良い天気が続いている。20日などは、日中の気温が20℃にもなった。 今年は2枚の田(約20a)で水稲を作ろうと思っている。 それに先立ち、土つくりのための施肥と耕運を行った。 昨年の暮れに買ったトラクターの実圃場での初耕運であった。 圃場の中央部分の耕運はやさしいが、トラクターの転回部分となる角部は、 なかなかうまく平坦に耕運するのが難しい。 写真は耕運後の圃場(14a) 軽トラ 2004年3月記 農家にとって軽トラ(軽トラック)は必需品である。 農作業に必要なものは何でも運搬できて本当に便利なものである。 写真は私の軽トラである。 昭和63年(1988年)製ですでに15年経過したマツダポーターキャブ。 平成8年(1996年)に中古で購入したものであるが、そろそろ買い替えの時期かもしれない。 (走行距離は、まだ1万5000km) ガソリンスタンドに行っても、最近では三角窓は珍しがられる。 ここまで古くなると、いよいよ愛着ができて手放しがたくなってきている。 (2009年11月 追記) 20年たったこの軽トラック、まだ健在であったが、如何せん、2WD(2駆)であり、 農作業用としては非力であった。 2008年6月、なくなく手放し、4WDの軽トラを購入した。 |
4.菜園 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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菜園と電気柵 2004年3月記 十年前に父が亡くなって以来、放置状態であった裏の畑を、野菜畑にしようと 手入れしてきた。 なにしろ傾斜地なので、少しでも平地にしようと、この冬の間に削ってきた。 3月15日、ジャガイモ(ダンシャクとメークイン)をそれぞれ15ケ植えた。(写真左) そのあと、土をかぶせて出来上がり。(写真右)6月に採集できる予定。 この辺では猪が出没します。 ジャガイモを植える前に、猪対策として、電気柵を設置した。 写真左が、柵のポールと電線。(4m間隔に80m設置) 電線に接続された衝撃電圧発生器(写真右)から、1秒間隔に9000Vのパルス電圧が 発生している。 電源は12Vの乾電池であるため、エネルギーが小さいので万一人間が触っても 危険はない。用心深い猪には有効。 菜園 2004年4月記 家庭菜園にもそろそろ芽が出てきた。それにしても、この菜園には石が多い。 (斜面を平にするために削った時に出てきた石) 石拾いをせんといかんみたいだ。 写真左 3月15日に植えたジャガイモも芽を出しかけた。まだ全部は出揃っていない。 この次の仕事は、芽かき(芽の間引き)だ。 写真右 ジャガイモの隣に、3月28日に種をまいたほうれんそうの芽が出てきた。 本葉(真ん中の葉っぱ)がもう少し大きくなったら、間引きと追肥だ。 菜園 2004年4月記 家庭菜園の芽も確実に大きくなっている。 写真左 3月15日に植えたジャガイモ。4月21日、芽かき(芽の間引き)と石拾いを行った。 植えてから37日目。周辺は草だらけ。 写真右 3月28日に種をまいたほうれんそう。4月21日、石拾いと間引きと追肥を行った。 種をまいてから、24日目。 今日(4月24日)、トマトとなすとキューリの苗がそれぞれ2本づつ届いた。 明日、植えてみよう。 菜園 −ホウレンソウー 2004年6月記 5月17日、 3月28日に種をまいたホウレンソウを種まき以来50日目の5月17日に食べた。 このホウレンソウが小さな農業菜園の第1号の生産物である。 (完全無農薬品である) 今年のホウレンソウは3回ほど食べて終わった。 菜園 2004年7月記 菜園 2004年10月記
ヤーコン 2005年1月 昨年6月に一株植えたヤーコンを12月8日に掘りあげた。 (写真左が堀りあげ前、右が掘ったいも) ヤーコンは南米のアンデス地方の原産で、老化を防止するポリフェノールを 多く含み、不老長寿の秘薬として食べられているという。 味はサラダとして生で食べると、梨のようで、シャリとした歯ごたえである。 天然フラクトオリゴ糖を含有し、サラッとした甘みがある。 フラクオリゴ糖には整腸機能、便秘の解消、糖尿病の予防などの効果があるという。 写真のような芋が5〜6個収穫できた。 種芋を保管しているので、今年も植えようと思っている。 菜園 2005年4月記 そろそろ半農もスタートの季節となった。 3月26日にじゃがいも(メークイーン)を、4月2日に、ヤーコンを植えた。 (写真はじゃがいも) 不老長寿の秘薬といわれるヤーコンは、去年は1本の苗であったが、 今年はネット販売で10個の種イモを購入したものである。 夏野菜 2005年5月記 我菜園は、1年の内で今が一番にぎやかである。 菜園として計画して耕したところは、丁度満杯状態になってきた。
夏野菜が順調 2005年7月記 今年は6月が高温であったせいか、無肥料、無農薬、無手入れ菜園の夏野菜も生育が順調である。 今、トマト、キューリ、ナス、タマネギ、じゃがいもが食べごろである。 昨年は1個も取れなかったナスも、今年はよく取れている。 トウガラシはなぜか今ひとつである。
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